Diary Blog of Dary

temtanが書いた文章

ライターと包丁を比べるのは筋が悪い

http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20100412/p1

端的に言うと短慮。こんな事を長々とエントリにして書いている間に何故規制するのか、何の為に誰の為に規制するのかを考えれば、普通だったら白紙にしてから書き直すのにここまで書いてアップするのだから短慮としか思えない。

規制は必要だと自分は思う。なぜなら事故の被害がライターを買う本人だけでなく大規模に拡大する恐れがあるから。
火災の場合、その現場に居た多くの人の命を奪うことが往々にしてある。それだけならともかく近隣住民の命や家財を危険にさらすことも珍しくない。刃物の場合、扱いを間違えた場合でも本人だけ、酷い場合でも周囲の人程度の被害(それも大抵は怪我程度)で済むが、火災の場合は本人の命だけでなく多くの人・物を奪うんだよ。火災を起こした本人は悪いかもしれないが、何にも悪く無い周囲の人に被害を及ぼすのだから、本人は本人以上の責任を負ってる訳。刃物で自身の指を切ったとは訳がちがうのよ。

違うよ。「幼児でも簡単に着火できること」が問題じゃないよ。「幼児でも簡単に着火できる場所に置いてあったこと」が問題なのよ。手に届く場所にあったことが悪い。

うん。確かにそれ"も"問題だったとしよう。さて、ここで一番の被害者である幼児はどう対処・予防すればいいのだろうか?自分達では親は選べないし、幼児なので親に対し「幼児でも簡単に着火できる場所に置かない」ようにすることも出来ない。まあ、それはアレとしても、火事を起こした家の近隣住民は、どうやって「幼児でも簡単に着火できる場所に置かない」ことをその家に実行させれば良いのだろうか?注意を促すとか?それで効果あるの?

この規制の場合、一番の目的は「火災を減らす」というのが目的な筈。安全装置を付ければ、幼児が誤って火を付けるような火災を減らすことができるは明白。じゃあ安全装置を付けたライターを売れば言いじゃんって話になるかも知れないけど、当然だけど安全装置を付けるにはそれなりのコストが必要な訳。そしたらそのコストは当然に価格に反映される訳だけど、ライターを買うような本人だけからすれば、安全装置なんて直接メリット無いし、あえて価格が高いライターを買う必要なんて無いわけよ。要するに安全装置が付いた高いライターと安全装置が付いてない安いライターなら、普通は安い後者を選ぶ訳よ。けどね、この場合そのライターを買った人の周囲の人にとっては、安全装置が付いているライターの方がメリットがあるわけ。火災が起きにくいんだからね。この場合、周囲の人の損得がその周囲の人がコントロール出来ないライターを買う本人の意志で決定されるってのが刃物とかとは違う大きな特徴な訳。要するに公共性が高い訳。そういう公共性が高いのだから規制でコントロールして社会的にメリットがある方を義務づけるのよ。つまりライターを作る会社・ライターを使う人に多少のコスト(安全装置を付けるコスト・火が付けにくくなるコスト)を払ってもらって、周囲に対してメリット(火災が起きにくい)を提供するのを義務づける訳。
というかね、この規制はモラルのあるライター会社だったら歓迎すると思うのよね。だって自分の製品で事故なんて起きて欲しくないから、普通は安全装置を付けたくなると思うだけど、買う人に対するアピールにはならず逆にコストによって競争の足かせになってしまうのだからね。規制で安全装置を義務づければ、自分の製品の安全性を高めた上で健全に競争が出来るのだから歓迎するでしょ。まあ、本当にライター会社にここまでのモラルがあるのかどうかは知らんが。
この理論の流れのどこかで違う意見があってそれを主張するのなら有意義だと思うけど、こういう何も考えてないおっさんみたいな意見を見ると、本当に憂鬱になる。ましてやそれが影響力を持っているならなおさらだ。