Diary Blog of Dary

temtanが書いた文章

「自分にファッションセンスが無い事が悩み」の人にとってマネキン買いでは問題は解決しない

定期的に、脱・ダサいファッション*1の話が盛り上がる訳ですが、ユニクロとか無印とかコムサとか色々言っていますが、ちょっとアドバイスされる方の事も考えてますかね?考えてないとただのネットみのもんたですよ。

http://a-pure-heart.cocolog-nifty.com/2_0/2005/12/pcpc_1459.html

とりあえず、具体的なブランド等を挙げていて、具体的にアドバイスしている例として id:Masao_hate さんのエントリを挙げます。ユニクロ・無印の個別のアイテムを組み合わせて良い感じにするのは難しいので、マネキン買いを推奨しているエントリで、「とりあえず、周りから馬鹿にされない」を目的にしている人にとってマネキン買いは、もっとも手早く目的を達成できると思います。個人的には同感で、「自分のファッション(着ている服装)を馬鹿にされたくない」という目的に対しては、とても役に立つのではないでしょうか。本人も

「ファッションで馬鹿にされたくない」だけならこれで充分

「馬鹿にされない」ためには無難です。

と、言っています。

ただ、「自分のファッション(着ている服)を馬鹿にされてくない」人もいるでしょうが、同じく「自分のファッションセンスを良くしたい」人もいると思います。というか、悩んでいるのがこれらのどちらの悩みなのか自覚できない人も多いのではないでしょうか。前者の悩みの場合、服装さえ周りに馬鹿にされなくなればたとえマネキン買いをしても特に問題なさそうですが、後者の悩みの場合、マネキン買いはその悩みを直接は解決するものではありません。なぜなら、マネキン買いの場合、その服装は自分のファッションセンスではなく、お店の店員さんのセンスでなので、自分のファッションセンスは大きく変化しないからです(少しは勉強にはなるが)。詳細なマニュアルが会ったとしても、結局そのマニュアルに従ってる感を持ってしまうと、自分のセンスが変化していない事に気づいてしまうでしょう。
ゲームでたとえると、RPG で他の人にクリア寸前まで話を進めて、レベル・装備は十分に整った状態で最後は自分がクリアしても良い人と、そんなのではクリアした事にならないと思う人、と言った感じでしょうか。
後者の人の場合、マネキン買いをして周りから馬鹿にされなくなったとしても、自分のセンスに自信が無いので、自分が作り出した亡霊に馬鹿にされている気分になると思います。そうすると負のスパイラルで「安心できないのでより高いブランドに手を出す」→「ますます自分のセンスに自信が持てなくなり不安になる」と服オタ一直線です。そうじゃなくても、自分で自分でかけるプレッシャーに負けて、元に戻ってしまう気がします。

じゃあ、そういう人はどうすれば良いのかというと、地道にファッションセンスを磨くしか無いような気がしますが、個人的には「磨く」というより自分のファッションに対する観念を納得するまで作り上げていくといったニュアンスの方が良いような気がします。「ファッションセンスを磨く」という言い方だと、服の組み合わせなどのテクニックに終始しそうなので。
観念の作り上げ方は、誰かに全部作ってもらうようなものではなく、色々と吸収・消化・排泄していって地道に作り上げていくものだと思うので、もうこれ以上は具体的なアドバイスは変に方向付けてしまう可能性もあるし、人にそっくりそのまま与えるような物でもないでしょう。でも、いろいろと言いたいなあと思う事もあるので、ここからは自分が作り上げた観念からの言説で色々と言ってみようと思います。まあ、一人の参考意見として見てください。

まず、ファッションってのは、コンビニや本屋で売っている雑誌だけを見て磨かれる物なんかじゃなくて、もっと広く(物理的にも、時間的にも)みなきゃ駄目だと思うのね。つーか、最近の日本の都会だけが服を着てる訳じゃないから。80 年代に流行した服装って、今見るととんでもなくダサいよ。けど、当時はそれが良いとされてたんだよね。80年代と言わずもっとさかのぼって、服というか布・繊維の歴史とかも見ていくってのも自分の観念を作り上げていくのに良いと思う。例えば化学繊維の作り方、作った時のきっかけ、作られた時の時代背景とか理解できると深みが増すと思うし、人は昔から糸と戦ってきた歴史があるのだろうから、その紡いできた歴史を知ると服を着るのも、只着るんじゃなくて歴史をしょっている感を持てると思う。
あと、ファッションって好きな人もいるよね。楽しんでいる人。理解できないかもしれないけどそういう人がいる事ぐらいは判ると思う。そういう人を否定するんじゃなくて、もしその楽しんでいる人がファッションのどんな点をどんな風に楽しんでいるのか理解してみるって視点はどうだろうか。理解した上で、「これはよい」とか「自分には合わない」とか判断してみるってのは良いんじゃないかなと。アニメ・漫画とかでも、毛嫌いしないで実際に見てみて・読んでみてからじゃないと判らない事であるでしょ。それと同じで、楽しんでいる人が確実に居るのだから、それを理解してみるってのも一つの自分の糧になると思う。
あと、服を作る人の視点を考えるのも良いと思う。服を作る人って、まあ生活の為とか、カモを捕まえるためとかでやってる人も居るかもしれないけど、殆どの場合は何かしら思いを込めて作っているんだと思う。それがどんな思いかは判らないけど、もしそのメッセージを理解できると、より一層服を着るのが楽しめると思う。これはゲームとかと一緒で、有る一定の深みに達すると作った人の考えとか拘りが感じられるようになるのよね。その為には、それなりに歴史とか技法とかの知識は必要になってくるけど、一度でもそういうのを体験していると、知識を得るのが楽しくなってくるんじゃないだろうか。実はアレは○○のオマージュというのを盛り込んだとしても、○○について知らなければ気づかないしね。これは、ゲーム・アニメ・漫画とかオタ業界とかそれ以外の業界でも沢山あると思う。

*1:自分は「脱オタ」という言葉が嫌いなので使いません